\この記事でコレがわかる/
- Cubase付属エフェクトは使えるか?
- Waves製品はやはり音が良いのか?
- ステレオイメージャーの使い方は?
はじめに
本記事では、Cubase付属&Waves製品の ”ステレオイメージャー” を比較し、サウンドの違いや特徴を紹介していきます。(Waves製品は、筆者愛用の『Horizon』からチョイス)
ステレオイメージャー(ステレオエンハンサー)は、ディレイ/ピッチのズレや位相の効果でトラックのステレオ感を広げたり狭めたりするエフェクトです。
【検証①】ドラムトラック
対象トラック | ドラム ※Busトラック |
検証内容 | 最大に広げる、機能を使う |
今回は、ドラムのBusトラックを使って「Stereo Enhancer(Cubase)」と「S1 Stereo Imager(Waves )」を比較検証していきます。
同じステレオイメージャーでもCubaseとWavesでは搭載機能が違うため、それぞれの特徴に合った設定も紹介していきます。
【検証①】オリジナル音源
ドラムトラックのオーバーヘッドやスネア・トップには、生楽器の収音では業界トップクラスの真空管マイク「ELA M 260」で録音され、とてもナチュラルなサウンドです。
注アテ
【検証①】Stereo Enhancer
フルに広げる(WIDTH:200%)とS1の方が立体的に聞こえますが、「DELAY」「COLOR」で微調整するこでWavesと同等の音質を作ることができます。
【検証①】S1 Stereo Imager
上画像の設定にし、左に寄せて内側に傾けてみました。Stereo Enhancerよりも高度なサウンドメイクを低劣化で実現している点で優れています。
【検証②】マスタートラック
対象トラック | マスター |
検証内容 | 同設定 |
今回は、マスタートラックを使って「Imager(Cubase)」と「Vitamin Sonic Enhancer(Waves )」を比較検証していきます。
これらは、帯域別にステレオ感を調整できる ”マルチバンドのステレオイメージャー” で、複数トラックをまとめたBusトラックでは特にその効果を発揮します。
【検証②】オリジナルデータ
まずはオリジナル音源を聞いてください。ボーカル、スネアトップ、ルームマイクには、コンデンサー並のパフォーマンスをもつダイナミックマイク「M80」で録音されています。
【検証②】Imager
Imagerは、最大4バンドのステレオイメージャー。それぞれの帯域の「WIDTH(ステレオ幅)」「PAN(定位)」「OUTPUT(音量)」のコントロールが可能です。
Vitamin Sonic Enhancerより1バンド少ないですが、ほぼ同じ設定に調整。オリジナルデータよりも、立体的で躍動感のあるドラムサウンドになりました。
【検証②】Vitamin Sonic Enhancer
オリジナルに倍音をミックスできるので、帯域のレベルを上げるImagerよりも自然に仕上がっています。ただし、Imagerのように「PAN」の調整はできません。
さいごに
個人的に、検証①はWaves、検証②は引き分けという結果です。ただし音質や操作性など総合的にみると、やはりプラグイン専門メーカーであるWavesに軍配が上がりますね。
Waves『Horizon』については、こちらの記事でも紹介しています。Waves史上最大のセールで話題にもなっていますので、興味のある方は参考にしてみてください。