\この記事でコレがわかる/
- Cubase付属エフェクトは使えるか?
- Waves製品はやはり音が良いのか?
- ヴィンテージ系コンプの使い方は?
はじめに
本記事では、Cubase付属&Waves製品の ”ヴィンテージ系コンプ” を比較し、サウンドの違いや特徴を紹介していきます。(Waves製品は、筆者愛用の『Horizon』からチョイス)
ヴィンテージ系コンプは個性が強く、「太い音」や「サウンドへの色付け」を直感的な操作で得られるためミックスダウン時は非常に重宝します。
【検証①】ボーカルトラック
対象トラック | ボーカル |
最大ピーク | -12dB ※オリジナルデータに準拠 |
Ratio | 4 |
RELEASE | センター |
GR | 最大-6dB |
今回は、ボーカルトラックを使って「Vintage Compressor(Cubase)」と「CLA-76(Waves )」を比較検証していきます。(主な設定は上表参照)
これらは「FETコンプレッサー」と呼ばれる種類で、真空管回路をエミュレートした半導体で設計されています。アタックの反応が早く、ボーカルやリズム楽器に向いています。
【検証①】オリジナル音源
ボーカルトラックは、コンデンサー並のパフォーマンスをもつダイナミックマイク「M80」(TELEFUNKEN)で録音されていますが、やはり音量差が気になります。
【検証①】Vintage Compressor
CLA-76にはない「MIX」は100%に、「ATTACK」は最小に設定。FETコンプレッサーにしては癖がありませんが、ナチュラルなサウンドで使い勝手は悪くはありません。
【検証①】CLA-76
Vintage Compressorに比べて「ATTACK」の効きが良く、やや抑えめに設定。迫力のある低中音域になり、ボーカルに ”存在感” を持たせることができました。
【検証②】ベーストラック
対象トラック | ベース |
最大ピーク | -14dB ※オリジナルデータに準拠 |
Ratio | ※3 |
RELEASE | – |
GR | 最大-6dB |
今回は、ベーストラックを使って「Tube Compressor(Cubase)」と「CLA-2A(Waves )」「PuigChild(Waves )」を比較検証していきます。(主な設定は上表参照)
これらは「OPTコンプレッサー」呼ばれる種類で、オーディオ信号を光に変換し(光学式)、ゲインリダクションの量を制御します。レシオは固定比率で通常は3:1となります。
【検証②】オリジナルデータ
ベースはDI(ダイレクトボックス)で録音されています。素のままでは、ダイナミクスが安定せず、高音程を弾いたときに小さく聞こえてしまいす。
【検証②】Tube Compressor
真空管コンプレッサーをモデリングしたTube Compressorは、「サチュレーション量」や「キャラクター」も変えられる高機能なアナログコンプです。
他コンプにない「CHAEACTER」は0%、「MIX」は100%、「Drive」は最小にしています。掛かりが浅いので、RATIOは「HIGH」にした方が良さそうです。
【検証②】CLA-2A
なるべくデフォルトで比べたいため、「ANALOG」はOFFにしています。一聴しただけでも自然なコンプ感で、しっかりと音圧が上がっているのが分かります。
【検証②】PuigChild
筆者のお気に入りコンプで、今回紹介したOPTコンプレッサーの中では一番クセがあります。ベースの輪郭がくっきりして、前に出てくるのが分かると思います。
さいごに
結果として、Waves製品と比べるとCubase付属のヴィンテージ系コンプは ”味気ないサウンド”ですが、コンプとしては普通に使えます。
Waves『Horizon』については、こちらの記事でも紹介しています。Waves史上最大のセールで話題にもなっていますので、興味のある方は参考にしてみてください。