《バッキング編》ギターアレンジに役立つ『12の手法』を紹介!

GUITAR

\本記事はこんな方にオススメ/

    • 楽曲制作をはじめて間もない方
    • ギターバッキングの種類を知りたい方
    • ギターアレンジが苦手な方
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はじめに

本ページでは、”楽曲制作をはじめて間もない方” や、”ギター初心者・中級者向け” にギターバッキングのアレンジに役立つ『12の手法』を紹介していきます。

ただギター奏法を紹介するだけではなく、アレンジする上での注意点、意識するポイント、演奏上のコツなども解説していきます。

視覚的・聴覚的に分かりやすいように ”TAB譜” と ”音源” も用意していますので、参考にしつつ自身の楽曲に取り入れてみてください。

ギターはバンドの中で目立つパートで、バッキング・アレンジによって楽曲の雰囲気はガラッと変わります。いろんな引き出しを増やして楽しみましょう。
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ギターバッキング・アレンジ『12手法』を紹介!

\ 今回使用するオケはコチラ /

それぞれの違いを聴き比べられるように、すべて同じオケを使って各ギターバッキング・アレンジを紹介していきます。(オケのダウンロードはコチラから)

今回レコーディングに使用したオーディオインターフェースは『Apollo Twin X』。完全プロ仕様ですが、コンパクトで宅録でも使い勝手がよい定番のアイテムです。

Keyは「A」でBPMは128。8ビートのドラム&ベース、パット的なオルガンと、主メロディにピアノというシンプルな構成のオケとなっています。

ドラム音源『SD3』、ベース音源『MODO BASS』、ギターアンプシミュレーター『Amplitube』、他シンセ音源『KOMPLETE』を使用しています。

【1】白玉(全音符、2分音符)

\ デモ音源を聞いてみる /
ここがポイント!
  • ときには勢い良くリズムインするべし!
  • ときにはオシャレに響かせるべし!
  • コードを工夫して存在感を出すべし!

白玉は「ジャーン」とただ音を伸ばすだけでなく、”ちょっとした工夫” で様々な響きを与えることが出来ます。次のポイントに注目しながら弾いてみてください。

【1小節目】4拍裏に16分音符を入れて「ジャカジャーン!」を弾くことで、アクセントをより強調できます。ブラッシングに置き換えても同様の効果を得られます。
【4小節目】スライドインさせた白玉。今回は半音上からスライドしてますが、1音上からでもOKです。『ボトルネック奏法』に似た響きを得ることができます。
【5小節目】ハンマリング・オンによる白玉。スライドとはまた違う響きを得ることができます。ビブラートをかけるとオシャレに聞こえます。
【6小節目】コードを「Aadd9」に変え、「ジャラ~ン」と弾いてエンディングを強調しています。『クイックアルペジオ』と呼ばれています。
白玉とは、全音符、2分音符など ”白丸” で書かれる音符のことを指します。「長い音」「伸ばす音」に対して感覚的に使われることもあります。

【2】ストローク

\ デモ音源を聞いてみる /
ここがポイント!
  • 弾き語りで聴かせるつもりで弾くべし!
  • パーカッション担当としてを弾くべし!
  • リズムパターンの引き出しを増やすべし!

ストロークは、ロック、ポップスなど様々なジャンルで多用されますが、こだわってみるとじつは ”奥の深い” 奏法です。次のポイントに注目しながら弾いてみてください。

【リズム①】「バンドで合わせるとなぜかハマらない…」という方は、メロディを歌いながら弾いてみてください。楽曲やメンバー独自のグルーヴに意識しましょう。
【リズム②】ストローク時のギターは、”伴奏パート” でもあり ”リズムパート” でもあります。アクセントやダイナミクスも意識することで、聞こえ方が全く変わります。
【リズム③】8ビートの曲だからといって8分音符で弾かなくてもOKです。16分音符も取り入れ、様々なリズムパターンの引き出しがあるとアレンジの幅も広がります。
ストローク(stroke)は 「反復動作」「撫でる」という意味があります。力任せでは豊かな響きを得られないので ”撫でる動作の反復” を意識しましょう。

【3】パームミュート

\ デモ音源を聞いてみる /
ここがポイント!
  • 音数で ”ノリ” が変わることを意識すべし!
  • バンド編成にマッチした音選びを意識すべし!
  • ピッキング方向による音の違いを認識すべし!

パームミュート(ブリッジミュート)は最も基本的な奏法で、慣れているかとも思いますが、勢いまかせに弾いてませんか?次のポイントに注目しながら弾いてみてください。

【リズム】ストロークと同様に、8ビートの曲だからといって8分音符で弾かなくてもOK。刻む音数で変わるノリを感じながら、曲に合うアレンジを探しましょう。
【音作り】パームミュートは、クリーントーンでは「テケテケ…」という響きで、歪ませると「ズン!ズン!」と大きく鳴りが変わるので、曲に合った音作りが大切です。
【ピッキング】プロギタリストには、アップピッキングを積極的に取り入れる方もいます。アップ/ダウンピッキングそれぞれの音の特性を把握し、研究してみましょう。
パームミュートは、手のひら(パーム)で、弦の振動を弱める(ミュート)奏法です。「ブリッジミュート」「ハーフミュート」とも呼ばれます。

【4】オクターブ

\ デモ音源を聞いてみる /
ここがポイント!
  • メインメロディーをよく聞くべし!
  • ベースラインをよく聞くべし!
  • 困ったら3度、5度を狙うべし!

オクターブ奏法は、ジャズをはじめ、ロック、ポップスなど様々なジャンルで多用されます。ここでは弦の押さえ方ではなく、フレージングの作り方について解説していきます。

【フレーズ①】オクターブ奏法で注意すべきは ”主メロディを邪魔しない” こと。意図的にユニゾンさせることもありますが、あくまでバッキングであることを忘れずに。
【フレーズ②】少人数編成バンドの場合はとくに、ベースラインと被らないフレーズにすることで広がりを作れます。逆にユニゾンにすると厚みを持たせることができます。
【フレーズ③】大人数編成バンドや、動きの多いベースラインのときは、あえてルートの3度、5度でハモらせたシンプルなオクターブ奏法も効果的です。
オクターブ奏法は、1オクターブ離れた2つの音を同時に弾く奏法。元々はジャズで多用されていましたが、現代では様々なジャンルで登場しています。

【5】カッティング

\ デモ音源を聞いてみる /
ここがポイント!
  • 16分オルタネイトの基本を忘れるべからず!
  • 音数で曲風の雰囲気が変わることを意識すべし!
  • バンド・楽曲にマッチした音選びを意識すべし!

カッティングは、リズム主体の奏法で「速弾きは得意でも、カッティングは苦手」というギタリストは結構います。次のポイントに注目しながら弾いてみてください。

【基本】カッティングは ”16分のオルタネイト” が基本。1~2小節を8分のオルタネイト、16分のオルタネイト(全てダウン)で弾き比べると違いが分かります。
【音数】1~2小節と2~4小節は、アクセントと同様のフレーズを弾いています。音数が増えたことで、パーカッシブな役割であることがはっきり分かると思います。
【音作り】カッティングは、クリーン/クランチトーンでの演奏が多いですが、ロックでは歪ませることもよくあるので、バンド・楽曲に合わせた音作りをしましょう。
カッティングはブラッシングや休符を織り交ぜながら、歯切れよくリズムを刻む奏法。海外では「Strumming」と呼びばれています。

【6】リフ(リフレイン)

\ デモ音源を聞いてみる /
ここがポイント!
  • 最大限に印象に残るフレーズを捻出すべし!
  • ギター初心者でも弾けるフレーズにすべし!
  • ギター独自のサウンドにこだわるべし!

リフは「センスだ!」「ヒラメキだ!」と言う方もいると思います(苦笑)たしかに、そうでもあるのですが、”ギター独自の考え方やコツ” もあるので解説します。

【フレーズ①】リフは楽曲の ”顔” ですので、聞いた瞬間に「あの曲だ!」とリスナーがすぐにイメージできるフレーズを作れるよう精一杯悩んでください(苦笑)
【フレーズ②】リフ作りのコツは ”難しくしない” ことです。耳に残りやすく、ギター初心者がマネしたくなるようなキャッチーなフレーズがおすすめです。
【サウンド】リフ作りはフレーズだけでなくサウンドもこだわりましょう。エフェクトだけでなく、「開放弦」や「同音異弦」などギター独自の響きがポイントです。

リフ(Riff)は「リフレイン(Refrain)」が語源とされ、繰り返し使われる印象的なフレーズを指します。クラシックでは「オスティナート」と呼ばれます。

【7】アルペジオ

\ デモ音源を聞いてみる /
ここがポイント!
  • なんとなくアルペジオにするなら休符にすべし!
  • 思い切った音作りにチャレンジするのも全然OK!
  • リズムパターンの引き出しを増やすべし!

アルペジオはギタリストでも聞き流してしまうほど、ありきたりなアレンジかもしれません。しかし、”ちょっとした工夫” で耳に残るアレンジに変わる可能性があります。

【フレーズ】「とりあえずアルペジオで…」と弾くぐらいなら休符にしたほうが良いです。ド定番のアレンジですが、”自分なりにその効果を解釈する” ことが大切です。
【音作り】アルペジオは地味な奏法に思われがちですが、コーラス、トレモロ、ディレイ等のエフェクトを加えることで ”存在感のあるサウンドに進化” します。
【リズム】ストロークと同様に音数によって ”リズムを生み出す” ことができます。また、スライド、ハンマリング/プリングなどの奏法を組み合わせても変化します。
アルペジオは日本語で「分散和音」といわれ、コード(和音)を1音ずつ弾く奏法。基本的には、”低い音から高い音へ” と弾いていきます。

【8】シーケンスフレーズ

\ デモ音源を聞いてみる /
ここがポイント!
  • 控えめにして目立つギターサウンド!
  • エフェクトONでさらにオシャレに!
  • じつはアドリブでも役立つって本当!?

シーケンスフレーズは、”コード感とリズム感を生み出す” ことができます。ひとことで言ってしまえば、「短いアルペジオの繰り返し」を演奏するイメージです。

【フレーズ】テクノ系のキーボードで多用されるシーケンスフレーズ。近年の流行曲では、”キーボード風のフレーズ” をギターで演奏されることも珍しくありません。
【音作り】シーケンスフレーズは、ディレイ、フェイザー、フランジャーなどの ”エフェクトを極端に加えた方が効果的” なケースが多かったりします。
【アドリブ】じつは、ブルースでよく聞く『ラン奏法』や、HR/HMで多用される『スリーノート・パー・ストリング』もシーケンスフレーズの1種です。
シーケンスフレーズは、「ある決まった順序で繰り返される音のまとまり」を指します。印象的なシーケンスフレーズは、リフになることも多々あります。

【9】ペダルトーン

\ デモ音源を聞いてみる /
ここがポイント!
  • 控えめにして目立つギターサウンド!
  • エフェクト使用でさらにオシャレに!
  • たまに弾くからこそ存在感が際立つ!

ペダルトーンと聞くと馴染みがないかもしれませんが、ギターではよく使われる手法なので自然と習得しているかもしれません。次のポイントに注目しながら弾いてみてください。

【フレーズ】ペダルトーンは楽器によって様々な解釈がある奏法です。ギターにおいては、”独特の響き” や ”存在感” を手軽に得られるので定番のアレンジです。
【音作り】コードのストロークはベーシックなサウンドで十分ですが、和音数が少ない場合や、目立たせたい場合は、”揺れ系/残響系エフェクトの相性” が良いです。
【使い分け】前述の通りペダルトーンは特徴的なサウンドです。「間奏のみ」「サビのみ」など、”登場セクションを限定させる” ことで、より際立たせることが出来ます。
ペダルトーンは、進行していくコードに対してトップノートやベースノートを持続する奏法。今回は1コードなので、ペダルトーン風が正解(苦笑)

【10】オブリガート

\ デモ音源を聞いてみる /
ここがポイント!
  • 他の楽器をよく聞いてから弾くべし!
  • メインメロディーを邪魔するべからず!
  • 控えめにして効果的なフレーズにすべし!

オブリガートは、バッキングとギターソロの両方の要素があります。たくさんの曲を参考にしながら腕を磨いていきましょう。(TAB譜の、2、4小節目後半部分がオブリガートです)

【基本】まずは ”他楽器のオブリガート” に注意しましょう。どちらか1つにするか、ユニゾン/ハモリにするかなど、楽曲によって効果的なアレンジを吟味しましょう。
【フレーズ①】オブリガートをギターソロのように弾く方がいますが、音楽的ではないケースが多いです。あくまで、”主メロディを活かすフレーズ” として弾きましょう。
【フレーズ②】前述の通り、オブリガートは主メロディを活かすフレーズですが、”瞬発的なアクセント(エッセンス)で楽曲を彩る” ことを忘れてはいけません。

オブリガートは、主メロディの隙間や裏で ”合いの手” として入れるフレーズを指します。「カウンターメロディ」や「オカズ」と呼ばれることもあります。

【11】シングルノート

\ デモ音源を聞いてみる /
ここがポイント!
  • メインメロディーをよく聞くべし!
  • 最大限に印象に残るフレーズを捻出すべし!
  • 困ったら3度、5度を狙うべし!

シングルノートは、スッキリと聴かせたいときに効果的です。今回紹介するオブリガート的なフレーズだけでなく、カッティングやパームミュートを使ってみても良いでしょう。

【フレーズ①】主メロディが流れているセクションでのシングルノートは、オクターブ奏法と扱いが同じで、”主メロディを邪魔しない” フレーズを意識しましょう。
【フレーズ②】ギタリストは、シングルノートだと弾きすぎる傾向にあります(苦笑)最小限の音数で、エフェクトを加えるなどして効果的なアレンジにしましょう。
【フレーズ③】バンド編成や楽曲によっては、「シングルノートが合うけど何を弾けば…」ということもあるでしょう。そんなときは3度、5度を弾いてみましょう。
シングルノートは「単音」のことを指します。デモ音源では、ハーモナイザーで3度下のハモリを加えています。

【12】ダブルストップ

\ デモ音源を聞いてみる /
ここがポイント!
  • 他の楽器をよく聞いてから弾くべし!
  • その他の奏法を織り交ぜて弾くべし!
  • バンドにマッチした音使いを意識すべし!

ダブルストップは「ネオソウル」系のギタリストに多用されたことで、近年最も注目されている奏法かもしれません。次のポイントに注目しながら弾いてみてください。

【フレーズ①】ダブルストップは、音楽の3大要素「メロディ」「リズム」「ハーモニー」を兼ね備えた奏法ですので、”他楽器とのバランス調整は必須” となります。
【フレーズ②】「パームミュート」「スライド」「ハンマリング/プリング」など、”奏法を組み合わせる” ことで、ダブルストップは洗練されたサウンドに進化します。
【フレーズ③】ダブルストップは、ハモリ側の度数によって全く響きが変わるので、”音使い” はとくにセンスが問われる奏法になります(苦笑)

ダブルストップは2つの音を同時に弾く奏法。ギター1本でをハモらせることができ、「3度」「4度」「6度」の音程が代表的に使用されます。

さいごに

今回、ギターバッキングのアレンジに役立つ『12の手法』を解説しましたが、それぞれ手法で紹介したフレーズ例はほんの一例です。

フレーズの引き出しを増やしたり、センスを磨くには、たくさんの曲を聞いて、コピーして、研究して、体が覚えるまで弾きこむほかありません。

「1日でも早く上達したい!」と思う方は、『BOSS BR-80』などのアイテムを使用することで、効率的にギター練習が出来ますので検討してみましょう。

それでは快適なギターライフを♪

DTMをしている方は、ドラム音源『SD3』、ベース音源『MODO BASS』、ギターアンプシミュレーター『Amplitube』、他シンセ音源『KOMPLETE』を使用しているので参考にしてみてください。
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