\本記事はこんな方にオススメ/
- 弦高が高すぎて演奏しにくい
- ブリッジを今より低くできない
- シムを使うと音が変わるか心配
はじめに
このページは、「弦高を下げたいけど、これ以上ブリッジを低く調製できない」と悩むギタリスト向けの内容です。結論から云うと『ネックシム』による解決方法を紹介します。
ギターは、弦の太さ(ゲージ)変更や、木材の経年変化などの影響によりコンディションは一定ではありません。状況に合わせたメンテナンス方法を知っておくと便利です。
実際に筆者が行った ”作業手順” と、シム装着前後の ”サウンド比較” も解説していきますので参考にしてください。(数百円~数千円の費用でメンテナンスできます)
弦を張った状態で ”ネックが真っ直ぐ(順反り/逆反ではない)” であることが前提です。反っている場合は、調整することで改善する可能性があります。
『ネックシム』の役割とは?
(シム装着後のイメージ)
ネックシムは ”ネックポケットに挟むスペーサー” のことで、ジョイント角を調整する役割があります。シムの材質は「厚紙」「木材」「プラスチック」などが採用されています。
Gibsonタイプ(レスポール等)のネックは最初から角度を付けてジョイントされています。一方、Fender(ストラト等)タイプはシムを使って角度を調整を行います。
上図を見てわかるように、”たった1°のジョイント角” で大きく変化します。シムを噛ませることで、ネックやボディーを加工せずに効果的な調整を行うことが出来るわけです。
天才ギタリスト ”エディ・ヴァン・ヘイレン” の改造ストラト「フランケンシュタイン」には、シムにピックが採用されていたと云われています。
今回使用した『ネックシム』を紹介
シムの材質・形状と、サウンドへの影響についてはさまざまな論争がありますが、筆者が選んだのは『Shaped Neck Shim for Guitar(0.5°)』。(Amazonで3000円前後)
ネックシムにしては高価ですが、おそらく一生モノの買い物になるだろうし、高評価レビューの真意も確かめたったので意を決してポチりました(苦笑)
(『Shaped Neck Shim for Guitar』の側面)
側面から見ると、左から右に薄くなっているのが分かります。ネジ穴が開いているのと、本体の材質がネック材によく使われる「メイプル」で作られているのもポイントです。
一番薄い部分は1mm以下(約0.2mmほど)に削られているので、素人が自作するのは技術的に難しそうですし相当な労力を費やしそうです。
ネックとボディーの隙間が少ないほど、シムによる音質変化を受けにくいと云う方もいます。
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『ネックシム』装着手順を解説
シム装着手順
- ネックシムのサイズを加工する
- ネックを取り付ける
- 弦高・裏バネを調整する
- ピックアップの高さを調整する
ここからは、シムの装着手順を解説していきます。弦を外す or 弦を再利用する場合は緩めてカポで押さえてからネックを取り外し、次の手順で進めてください。
ギターのモデルやセッティングにもよりますが、作業時間は30分~1時間程度となります。
①ネックシムのサイズを加工する
(ネックポケットに『Shaped Neck Shim』を置く)
まずは、ネックポケットにシムを置いてみます。今回はシムが少し大きいので、サイズ調整が必要です。(ギターやメーカーによっては、ぴったりサイズもあるそうです)
(タバコ箱がシムとして使われていた)
ネックポケットの角に元々あったシム。「MENTHOL」とプリントされているので、前オーナーはタバコ箱を利用していたようです。今回は外してしまいます。
(『Shaped Neck Shim』をネックジョイント部に仮止め)
マーキングするために、ネックジョイント部分でシムをテープで仮止めします。(あまり神経質にならず、ネックポケットの装着跡や日焼け跡を目安にしましょう。)
(余分な部分をマーキングしてカットする)
マーキングしたら、余分な部分をハサミで慎重に切り取ります。その後、バリ取りと微調整でヤスリ(#600→#800→#1000の順)をかけました。
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②ネックを取り付ける
(『Shaped Neck Shim』の上に『NECK SET SIM』を重ねる)
ESP製『NECK SET SIM』は、ピックアップのボビンと同じ「バルカンファイバー」という素材が使われておいて潰れやヘコミが生じません。
(ネック取り付け後のシムの見た目)
ネック取り付け後は上画像の通り。ネックが日焼けしているので、真っ白なシムが覗きむのが分かります(苦笑)気になる方は、シムを色塗りすると良いでしょう。
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③弦高・裏バネを調整する
弦高やトレモロ・スプリング(裏バネ)の調整を行います。シムの装着でブリッジの可動域に余裕ができ、難なく弦高を3mm→2mmに調整することができました。
当然ですが、シム装着前後でギターを抱えた感触は全く違います。弦高は下げつつ、ブリッジを高くできるためテンション感の調整を容易にできます。
④ピックアップの高さを調整する
(シム装着後、ピックアップ未調整の波形)
最後にピックアップの高さを調整します。ブリッジを高くすると、ピックアップと弦の距離が離れるので上図のように出力が小さくなってしまいます。
『ネックシム』装着前後のサウンド比較
(アンプシミュレーターはFenderタイプを使用)
検証条件
- ギター
・ストラトタイプ
・ピックアップ:リア(SEYMOUR DUNCAN SH-4)
・ボリューム :10
・トーン :10 - ピック
・MASTER 8 JAPAN:IFHPR-TD080 - アンプシミュレーター
・AmpliTube :Fender Deluxe Reverb
ここからは上記の検証条件で、シム装着前後で同じフレーズを録音して比較していきます。どのように音質が変わるのか、ご自身の耳で目で確かめてみてください。
ちなみに録音環境は、DAWは『Cubase』、オーディオI/Fは『Apollo Twin X』を使用し、アンプシミュレーターは素データに後掛けしています。
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ネックシム装着前後の『音源』を比較
(シム装着後、ピックアップ調整済の波形)
\ シムを装着する前のサンプル音源 /
\ シムを装着した後のサンプル音源 /
上画像は、シム装着前後の波形です。ピックアップ調整により、シム装着後の方が出力がやや高くなっていますが、そのうえでサンプル音源を聴き比べてみてください。
弾いてみた感想は、ネックが鳴らなくなった&握った感触が固くなった印象と、以前よりもサスティーンが伸びたような印象です。(気のせいかもしれませんが 苦笑)
出力が高くなっているせいか、シム装着後の方がローが出ていて音が太く感じます。カッティングで(18秒~)よく分かりますが、キンキンした高音が和らいだ印象もあります。
ネックシム装着前後の『周波数』を比較
(シム装着前後の周波数帯域のピーク)
上画像は、シム装着前後の周波数帯域のピークを表したものです。大体同じ形ですが、シム装着後の方は細かい谷が少なく ”コンプが掛かった” ような印象です。
シム装着後は、30~60Hz、250~500Hz、2.4kHz付近が増加し、3.3kHz、13kHz付近が減少していますが、ピックアップの高さで微調整できる範囲かと思います。
筆者としては、今回使用したシムの場合は ”さほど音質変化はない” と言えますね。多少の違いはあっても、ピックアップ調整やピッキングで問題なく修正できる程度の変化です。
さいごに
世間では「シムを挟むと音が悪くなる説」もありますが、筆者は全くそうは感じませんでした。むしろ、弾きやすくなって、サスティーンが伸びた気がするので大成功です。
ちなみにFenderには、一部のギターに71年から採用されている「マイクロティルトアジャストメント」というジョイント角を調整できる機構も存在します。
結局のところ『Shaped Neck Shim for Guitar(0.5°)』だけでなく、『ESP NECK SET SIM(0.25mm)』も使いましたが、どちらも良品質な製品という結果です。
今回使用した『ネックシム』
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今回はここまで!それでは快適なギターライフを♪