ピックアップの『アルニコ』とは?サウンドの違いを解説!

GUITAR

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    • アルニコって何なの?
    • アルニコの種類って?
    • アルニコの音の違いは?
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はじめに

(出典:Wikipedia

エレキギターのサウンドを決める大きな要素となるピックアップ。エレキギターが誕生した頃から変わず、”ポールピース(磁石)の周りにコイル(針金)を巻きつけた構造” です。

楽器メーカーは「磁石の種類」や「コイルの巻き方」を変えることで、サウンドの変化や影響を日々研究し、多種多様なピックアップを開発しています。

そこで今回は、ピックアップに使用される「アルニコ」という磁石について解説していきます。アルニコには数タイプあり、それぞれの特徴をチェックしていきましょう。

ピックアップに用いられる磁石は、大きく分けて「アルニコ」と「セラミック」の2種類があります。

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アルニコの『タイプ』とは?

アルニコとは ”アルミニウム、ニッケル、コバルトの合金” で各頭文字による造語です。原料の配合比率で番号が振られ、基本的に ”大きい数字ほど磁力が強く高出力” となります。

ピックアップに使われるアルニコは「Ⅱ」「Ⅲ」「Ⅳ」「Ⅴ」「Ⅷ」 の5タイプ。出力の高さを順に表すと「Ⅲ < Ⅱ < Ⅳ < Ⅴ < Ⅷ 」と、「Ⅲ」以外は順番通りです。

一般的に普及しているアルニコは「Ⅱ」と「Ⅴ」 。「Ⅲ」「Ⅳ」「Ⅷ」は使用モデルは少ないものの、個性的なサウンドと一部のファンから根強い人気を得ています。

アルニコには ”経年により磁力が弱くなる性質” があり、メーカーによってはビンテージサウンドを再現するために磁力を弱める処理(減磁)を行います。

アルニコの『特徴』は?

(▲アルニコⅤのポールピース)
P.Uで使われるアルニコ
  • アルニコⅡ
  • アルニコⅢ
  • アルニコⅣ
  • アルニコⅤ
  • アルニコⅧ

アルニコのタイプによって磁力が異なりますが、もちろん ”磁力の強さ” はサウンドに影響をもたらします。ここからは、アルニコのタイプ別の特徴を解説していきます。

アルニコⅡ

アルニコⅡの特徴
  • 甘く枯れたサウンド!
  • 豊かなサスティーン!
  • ヴィンテージ志向に人気!

アルニコⅡは、1950年代のテレキャスターに採用されていたことで有名なマグネット。現在は、”60~70年代のヴィンテージサウンドを再現したモデルに搭載” されています。

アルニコⅤと比べて出力は大きくありませんが、豊かなサスティーンと甘く枯れたサウンドは ”ヴィンテージ志向のギタリストから絶大の支持” を得ています。
アルニコⅡを採用したピックアップは、Seymour Duncan製の「APS-1(シングルコイル)」「APH-1(ハムバッカー)」シリーズなどが定番です。

APS-1 Alnico II Pro Staggered Strat

(▲「APS-1 Alnico II Pro」の参考動画)
50年代のFenderギターのような、甘くソフトな高域のレスポンスを得られます。クランチサウンドは絶品で、色濃いヴィンテージテイストを体感できます。

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 APH-1b Alnico II Pro HB

(▲「APH-1b Alnico II Pro」の参考動画)
APH-1は、Guns N’ Rosesのデビューアルバム「Appetite for Destruction」のレコーディングでSlashが使っていたことでも有名なピックアップです。

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アルニコⅢ

アルニコⅢの特徴
  • アルニコⅡより明るいサウンド!
  • モデル数が少なくレア!?
  • ヴィンテージ志向に人気!

アルニコⅢは、1950年代のGibson、1950年中旬のFenderで採用されていたことで有名なマグネット。弦振動への影響が最も少なく、フロントP.Uでは絶品のサウンドを誇ります。

アルニコⅡよりも中音域が豊かで、ブライトでくっきりとしたサウンドが特徴的です。強いビンテージ志向のギタリストはぜひ試してみてはいかがでしょうか。
現在、アルニコⅢを使用したモデルはかなり少いですが、Fenderからエリック・ジョンソンのシグネチャーモデルが販売されています。

Eric Johnson Signature Stratocaster Pickups

(▲「Eric Johnson Signature」の参考動画)
フロント/センターにアルニコⅢ(リアはアルニコⅤ)を採用したエリック・ジョンソンモデル。54年製ストラトをベースに、モダンなニュアンスが追加されています。

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アルニコⅣ

アルニコⅣの特徴
  • 音域バランスがナチュラルなサウンド!
  • アルニコⅡとアルニコⅤの中間の出力!
  • ヴィンテージ志向に人気!

アルニコⅣは、1950年代のPAFに採用されていたと云われます。アルニコⅡとアルニコⅤの中間の磁力で「フラットな音質特性」を持ち、音域バランスに優れたマグネットです。

アルニコⅡよりも ”粘りのあるヴィンテージサウンド” の傾向があります。低域~高域までバランス良く出力されるためモダンなプレイスタイルにも対応できます。

アルニコⅣは「フラットな音質特性」を持っていることで知られています。ディマジオのPAFクローンモデル「DP261」がアルニコⅣを使用しています。

アルニコⅣを採用したピックアップは、Dimarzio製「DP261」やSeymour Duncan製「Saturday Night Special」などが定番です。

DP261 PAF MASTER

(▲「DP261」の参考動画)
Dimarzio製の中でも、”レスポンスが非常に良い” と定評のあるピックアップ。強いピッキングでも音が濁らず、王道的なロックサンドを出力します。

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SATURDAY NIGHT SPECIAL

(▲「SATURDAY NIGHT SPECIAL」の参考動画)
70年代後半のアリーナロック・サウンドの再現を目指したピックアップ。ヴィンテージモデルよりパワフル、高出力モデルよりもコンプ感の少ないトーンを出力します。

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アルニコⅤ

アルニコⅤの特徴
  • クリアで迫力のあるサウンド!
  • 現行モデルの多くに採用!
  • ジャンルを問わず人気!

アルニコⅤは、現行モデルで最も多く採用されるマグネット。これまでのアルニコと比べると、クリアで迫力のあるサウンドで ”ジャンルを問わず現代音楽とマッチ”します。

アルニコⅤの音質は、低域と高域が強調される「ドンシャリ」なサウンド傾向があるので、低音域の出力が弱くなりがちなリア・ピックアップに最適です。
アルニコⅤを採用したピックアップは、Seymour Duncan製「SH-4 JB」やDimarzio製「DP155」などが定番です。

SH-4 JB

(▲「SH-4 JB」の参考動画)
Seymour Duncanの中でも代表的なモデルで、豊かなサスティーンとハーモニクスを得ることができます。筆者も愛用するイチオシのピックアップです。

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DP155 TONE ZONE

(▲「DP155」の参考動画)
ハイパワーピックアップの代表格「Super Distortion」をベースに、出力を抑えつつ中低域を増したピックアップ。クリアなレスポンスとパワフルなサウンドを得られます。

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アルニコⅧ

アルニコⅧの特徴
  • 最も出力の高いアルニコマグネット!
  • セラミックよりも広いダイナミックレンジ!
  • モダンなハイゲイン志向に人気!

アルニコⅧは、最も出力が高いアルニコマグネット。モダンな ”ハイゲインセッティングに最適” で、特にHR/HM系のギタリストは試す価値大のピックアップです。

高出力ピックアップといえばセラミックの名が上がりますが、アルニコⅧは高出力とアルニコ特有のダイナミックレンジの広さを兼ね備えたサウンドが特徴的です。
アルニコⅤを採用したピックアップは、Seymour Duncan製「SH-15」やDimarzio製「DP273F」などが定番です。

SH-15 Alternative 8

(▲「SH-15」の参考動画)
セラミックのクリアさと、アルニコらしい豊かな中音域を兼ね備えたモデル。ダウンチューニングでもサウンドが濁らず、ヌケの良いトーンを得ることができます。

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DP273F Satchur8

(▲「DP273F」の参考動画)
世界的ギタリストであるジョー・サトリアーニ氏のためにデザインされたピックアップで、「今まで使ったどのピックアップよりもリッチなサウンドだ」と語っています。

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さいごに

今回は、ピックアップに使われるマグネット「アルニコ」のタイプや特徴について解説してきました。じつは、「アルニコ」のルーツは日本にあるというのはご存知でしたか?

本多 光太郎という人が、1917年に永久磁石「KS鋼」を発明。その後、1933年にKS鋼の4倍近い保磁力をもつ「新KS鋼」を発明し、これがアルニコの礎となりました。

ピックアップは、エレキギターのサウンドに大きく影響する要素です。これを機会に、自分が求めるサウンドに合ったピックアップを探してみてはいかがでしょうか?

今回はここまで!それでは快適なギターライフを♪

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